ドルコスト平均法とは

 ここでは、基本的な投資手法であるドルコスト平均法について解説します。
投資歴が短い方でも誰もが知っている項目になると思いますが、復習の位置づけとしてお楽しみ頂ければ幸いです。

ドルコスト平均法とは

ドルコスト平均法とは、時間軸に対して一定間隔で、特定の銘柄や通貨ペアを一定量、買いポジションを作り続ける事で、レートの変化を気にせず、高値掴みのリスクを避けて相場の平均的レートで買う事ができるようになる投資手法です。

文字で説明しても分かりにくいと思いますので、具体例を用いて説明致します。
下記、USD/JPYの月足のチャート(図1)を見て下さい。

図1. USD/JPY月足チャート(Alpari MT4チャート)

図1はMT4という取引ツールを用いて表示した、USD/JPYの月足チャート(約20年分)です。横軸は時間[月]、縦軸は為替レート[円]です。

1997年から、2019年2月現在までのレートの推移を振り返って見てみると、1ドル120円台に始まり、1998年の夏ごろに147円をつけ(ドル高円安)、2011年秋ごろには75円台まで円高が進み、その後、円安に戻り、110円前後で推移していた、といった所ですね。

現在のレートが高いのか安いのか、今後は、円安に進むのか円高に進むのか、については、経済の専門家でも予測が難しい領域です。例えば、1998年8月時点で、円高に進むと断定できる人が何%いたでしょうか。

そういった議論を避け、定期的に積み立て貯金を実施するのと同じような習慣化の労力で、一定額のドルを買い続ける行為を、ドルコスト平均法と言います。

これを行うことで、長期的に見た場合、相場の平均的なレートで買いを入れることができ、高値掴みのリスクを避けることができる、というメリットがあります。

 では、具体例を挙げて解説します。下記、例1を見て下さい。

AlpariMT4という取引ツールで過去20年間のUSD/JPYレートのデータを参照し、毎月5万円づつ、月足の始値でドル円の買いポジションを建てた、という仮定を置いています。

表には、
開始時期:いつ、ドルコスト平均法による積み立てを始めたか
運用期間:どの期間ポジションを保有したか
投資額:運用期間×毎月の投資額の計算値
取得総額:毎月のドル購入額の総和の計算値
資産価値:2019年2月13日現在のレートでの資産価値
を示しています。

表の下に、各運用期間の投資額に対して、2019年2月13日現在のレートでの資産価値がどの程度に見積もられるのか、を円換算して示したグラフです。

結果、現在のレートでは、1~5年間の運用期間では、投資額に対する資産価値がほぼ同等であり、10年間、20年間の運用期間では、投資額に対する資産価値が高くなっていることが見て取れます。

このように、ドルコスト平均法を活用することで、高値掴みのリスクを避けた、積み立て外貨預金のような運用が可能であると言えます。

今回の例では、スワップポイント(金利の受け取りポイント)については、考慮しておりませんが、政策金利が高い国と安い国の通貨ペアで、ドルコスト平均法を活用する事で、正に外貨預金を実施しているのと類似した運用益も狙える可能性があるとも言えますね。

但し、USD/JPYチャートの過去20年間だけを見ても、75円~147円と2倍位の開きがありますので、レートによっては、資産価値が目減りしているように見える時期も十分想定できます。

1ドル80円のような円高時に、急に物入りになってポジションを決済して損失を被る、という事も想定されますので、ライフプランと合わせて検討する必要があると思います。

それでは、今回の記事はここまでです。

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