レバレッジとは

レバレッジ、FX取引やビジネスを行う上で重要な概念であるレバレッジについて、解説してみます。

Wikipediaを参照すると、(以下、転載)
経済活動において、他人資本を使うことで自己資本に対する利益率を高めること、または、その高まる倍率。
(以上、転載終了)

とあります。要するに、自己資本(FXでは預入れた資金)だけでなく、他の資本を使うことで、効果を増幅させる。という事です。
1億円の資本で、1000万円の利益を生み出す仕組み、というものがあると仮定すると、さらに、他資本を使う仕組みを利用して、2000万円の利益、5000万円の利益、というように、効果を2倍、5倍と高める事を言います。

企業のIR情報を見たりしている人にとっては、自己資本比率が○○といった話を聞いたことがあると思います。銀行は自己資本比率○○%以上必要だ!なんてことも聞いたことがあると思います。それと同じように考えれば理解しやすい人もいるのでは?と思います。

また、てこの原理を用いて説明される事が多く、
1の力を10や20の力に増幅する効果、またはその倍率を言います。
しかし、これだけでは、結局FX取引で、どのように活用するのか分からないと思います。

では、そのレバレッジがFX取引を行う上では、どのように関係してくるのか、また、どのように作用するのかついて、解説致します。

下記、例1を見て下さい。

例1のAさんのように、資金100万円に対して、1万ドル分の買いポジションを建てた時は、1万[ドル]×100[円/ドル]÷100万[円]=1で、レバレッジ1倍という計算結果です。

同様に計算すると、Bさんは2倍、Cさんは10倍と計算されます。これが、レバレッジの基本的な計算と、活用です。

続いて、レバレッジがどのように作用するのかを例を用いて説明します。
下記、例2を見て下さい。

例2では、例1の後、A~Cさんが、建てたポジションを1年間保有し、USD/JPYのレートが変化しなかった場合を示しています。1年間保有していたため、スワップポイント(金利差ポイント)を受け取ることができます。仮に10万通貨あたり1日500円のスワップポイントと仮定すると、365日保有した事で得られるポイントは、182,500円分と計算されます。

Aさんの場合は、1万通貨分なので、1万通貨÷10万通貨×182,500円=18,250円 のスワップを受け取る事ができ、Bさんは36,500円、Cさんは182,500円のスワップを受け取る事ができる計算です。

このように、レバレッジを活用することで同じ資金量から得られるスワップポイントに大きな差がつく事が想像される事と思います。

今度は、USD/JPYレートが変化した場合を例にとってみます。
下記、例3を見て下さい。

例3では、例1で買いのポジションを建てた後に、1ドル100円→1ドル105円に変化し、決済した場合を示しています。Aさんは、1万[ドル]×105[円/ドル]=105万円の資金となり、100万円が105万円になり、為替差益は、105万円-100万円=5万円です。

Bさんの場合は、2万ドル分の取引をしているので、2万[ドル]×105[円/ドル]-100万円=110万円となり、為替差益は10万円となります。決済の時に借りたお金分を返済する必要がある、といった具合で考えると理解しやすいと思います。

Cさんの場合は、10万ドル分の取引をしているので、Bさんの場合と同様に計算すると、為替差益は50万円となります。上述までが、レバレッジを上手く利用した取引の例です。

一方で、1ドル100円で購入したものの、1ドル105円にならず、1ドル95円や90円に円高に変化することも想定されます。下記例4を見て下さい。

例4は、例1で買いポジションを建てた後、円高が進み、1ドル95円となった場合を示しています。今度は、1ドル100円→105円となった場合と逆に、決済すると為替差損を被ることとなってしまいます。

Aさんは5万円、Bさんは10万円、Cさんは50万円と計算されます。さらに、円高に進み1ドル90円となった場合、Cさんは、100万円の為替差損が発生し、強制ロスカット(強制的に決済される)による損失に遭ってしまう事となるでしょう。

上述までのように、レバレッジはプラスの効果として2倍、10倍と利益をもたらすこともあれば、急激な為替変動による損失に遭いやすくなってしまう側面もあります。

レバレッジの項目を理解し、そのレバレッジを上手くコントロールすることが損失を回避するために重要な項目となりますので、正に理解しておいて損はない、と思います。

それでは、今回の記事はこの辺で。

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