マネーゲームとは

今回の記事では手法の紹介を行います。
著者:石田信一、発行所:株式会社インベストメントカレッジの初版本
『マネーゲーム 秘密の計算式』という本があります。

 上記のような外観の書籍です。内容は、FX業界をある程度知っている方なら、すぐに分かる難易度の書籍です。
マネースクウェアジャパンというFX取引を取り扱う会社等で、プログラム、装置の特許を取得されている、トラップリピートイフダン®のシナリオの作り方を説明しているようにも見える書籍です。(競合というより併せて活用するのが良い感じと思います。)

 今回紹介する手法の対象としては、ある程度まとまった資金を運用しようとしている人向けで、毎月貯金する代わりに投資をやってみる、という方には、初期投資資金の関係で活用しにくい面があります。

 内容は、具体例として、FXの各種通貨ペアのみならず、商品(パラジウム、金、白金等)や、日経225先物、現物株といった銘柄に対しても、シナリオ案を作成し紹介されております。応用として、サヤ取りトレードに関しても触れられている部分もあります。

 話は変わりますが、FX取引ツールのMT4では、自動売買ツールの導入が可能で、これらのプログラムは中身によっては、マネースクウェアジャパンの特許への抵触懸念(=権利侵害懸念)がありますので、それらの導入時は、該当特許をよく読み、特許請求範囲外となるように気をつけましょう。2019年2月20日現在、Concepts engineという特許検索サイトでの検索結果では、マネースクウェアHDとマネースクウェア・ジャパンで計43件の特許登録が有ります。

 参考までに、主要株主が、ISホールディングスである、外為オンラインというFX会社が特許侵害で訴訟を受け、差し止め請求がなされた事件を紹介しておきます。(分かりやすい表現をすると、加害者側が外為オンライン、被害者側がマネースクウェアジャパンの事件です。他人のモノを取ってはいけない、という事を小学校の道徳の時間で習った記憶がある方なら、簡単に理解できると思いますが、知的財産(=資産)を守るためのルールがあります。)

 話を本題に戻し、マネーゲームの書籍の中では、利食い方法(=決済タイミングを計る方法)としても、一定値幅での決済シナリオだけでなく、取扱い銘柄の値動き次第では、保有ポジションの一斉利食いを検討する等、裁量判断についても、触れられています。(詳細は書籍をご覧ください。250ページ程のボリュームですので、すぐに読めると思います。)

 マネーゲームの概要としては、上述の通り、トラップリピートイフダン®のような手法で、相場は上がったり下がったりを繰り返していく性質がある、という点に着目して、100円で買って、102円で売る。98円で買って、100円で売る。96円で買って、98円で売る……、といった具合に、
どんなにレートが下がったとしても、○○円よりは下がらない!と仮説を立てて、○○円まで下がっても大丈夫なように資金管理、レバレッジ管理を行い、小さなポジションをいくつも建てて、作成したシナリオ通りに売買を繰り返して為替差益を狙う、手法です。

文章だけだとピンッと来ない人もいそうなので、図で説明します。下記、例1を見て下さい。

マネーゲームのイメージはこれだ!

例1ではUSD/JPYの通貨ペアを題材にしました。仮説としては、
・流石に50円を下回る事はない。
・米国と日本の関係は押したり引いたりが将来的にも続く。

として、マネーゲームのシナリオとしては、50円~120円までの10円刻みで買いと売りを繰り返して仕掛けていく、といった形です。10円刻みが良いのか、5円刻み、或いは2円刻み、もしくは、1円刻みというのは、資金量や、最小ロットサイズ、作業の手間、などで自分にあった調整を行うことが必要です。

 マネーゲームの概要説明としては上述の通りです。投資資金が1000万円あって、手間暇かけずに運用を任せたい、といった方なら、シナリオ部分と仕組み部分を理解すれば、マネースクウェアジャパン社でプログラムと装置に関する特許を取得しておりますので、一つの選択肢として検討の候補に入ると思います。

 今回の記事では、マネーゲームの手法の概要に触れました。しかしながら、ポジションサイズ調整、シナリオ作成、リスク管理等、考慮すべき重要項目は、まだまだ有ります。

 手法の概要を知ることで、自分にフィットしそうかどうかを垣間見る事ができると思います。次回の記事では、もう少し掘り下げて、どの位の資金サイズで、どのような初期作業が必要で、どのような管理をしていけば良いのか、等も含めて解説していきたい、と思います。

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